読書感想文


本や漫画、時には映画などの感想



町田康「告白」


これは面白かった。
熊太郎は結局思弁的であるようにみせかけて真実はなにひとつなかったのだ。
そのために弥五郎も殺してしまった。
だけれどやはり思弁的であるということは明治の河内では浮いてしまい
阿呆扱いもうけてしまう。いかんともしがたいなあと思う。
考えることにより人間として生かされている気がするが、考えるからこそ人間として生きるのが難しいこともあると感じた。




坂口安吾「夜長姫と耳男」


良い。
姫の美しさと恐ろしさが手に取るようにわかる。
ラストの耳男が夜長姫を殺すシーンでは、姫の凛とした態度に胸を打たれた。
夜長姫とはおそらく耳男本人のことでもあり、
殺すという行為で殺した側も殺された側も一番下まで堕落する、
つまり耳男が自分で自分を最下層まで貶めることで
耳男は新たな自分に生まれ変わろうとしたのだと感じた。