うつくしい子ども
緑豊かなニュータウンを騒然とさせた九歳の少女の殺人事件。犯人として逮捕されたのは<ぼく>の
十三歳の弟だった!崩壊する家族、変質する地域社会、沈黙を守る学校・・・。殺人者のこころの深部と
真実を求めて、十四歳の兄は調査を始める・・・。

夢見山ニュータウンを騒がせていた少女殺人事件。なんと十三歳の弟が殺人の容疑で捕まった!!
毎日のように押し寄せる報道陣、ひっきりなしにかかってくる誹謗中傷の電話。そして両親は離婚に追い込まれて
しまいます。そんな中主人公の”ジャガ”は、夢見山に残ることを決心し、学校に通い続ける。自分のすべきこと
なぜ弟があんなことをやったのか・・・その理由を探すことだ。ジャガは、友人の助けを借りながら、真実を見つけ、
弟のこころの歪みの原因は何だったのか、その証拠探しに奔走します。小さな事実を見つけていくにつれて、見えて
きた全体像、そしてひどくなる嫌がらせ。最後にジャガが突き止めた真実は・・・という感じで、とてもハラハラドキドキ
させられました。 残念ながら、昨今では、こういった事件が続発しています。少年の心が一体どんな危機にさらされているのか・・・ そんなことを考えさせられる一冊でした。