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真面目で有能な銀行員・結城美知夫のもうひとつの顔は、次々と犯罪を犯し続ける猟奇的な殺人犯でした。 結城は、犯罪を犯すたびに、教会の賀来神父の元を訪れ、懺悔をしていました。 けれども結城と賀来神父とは、男性同士でありながら肉体関係にあったのです。 ふたりは15年前、沖縄近海の沖ノ真船島で恐ろしい事件を目撃していました。 島にあった外国の軍事貯蔵庫から漏れた、秘密化学兵器の毒ガスMW(ムウ)によって、島民が全滅したのです。 そして結城もそのガスに冒され、狂ってしまったのでした。 結城は、その事件を闇に葬った犯人に次々と復讐しながら、ついにMWの行方をつきとめました。 MWに脳や心臓を冒されて死期の近い彼は、そのMWを手に入れて、自分が死ぬ時、世界中にMWをばらまき、全人類を道連れにしようと企んでいたのです……。