広島→名古屋




名古屋にいるお姉さまのところに遊びに行くときに乗った夜行バス。
このバスは二階建てバス(ダブルデッカーと言うらしい)で、普通夜行バスは一人席が横に三つ並んでるのですが
このバスの場合は後ろの4列くらいが、二人席が横に二つ並ぶいわゆる普通の路線バスみたいなつくりでした。
私はその後ろの4列の二人席に見知らぬ人と相席になり、つらい旅が始まるぞと憂鬱でございました。
が、その隣の席になったのは高校生くらいの男の子でなにやら親しげに話し掛けてきます。
まず一言目は「大丈夫?眠れる?」とやたら心配げに気を使ってくれます。
私は、高校生にしてこの紳士っぷりはすごいと感心しておりました。
その後話は進み、「何歳?」と尋ねられました。年を聞かれたときに女の人が返す言葉は「何歳に見える?」
と言うものでございますが、私も例にもれず「何歳に見える?」と尋ね返してみました。
すると相手の言葉は「中学二年生」というものでした。
その時の私は大学一年生で、高校も卒業してそろそろ大人っぽくなる年頃のはずでございます。
しかし、生意気ざかりの中学生に間違われるとはあまりにも幼すぎますっっっ。憤慨でございますっっっ。
だが、そこはさすが大学一年生で大人な私は笑顔でその場を乗り越え、高校三年生で受験生だという彼の話を
聞き、ちょっとお姉さんっぷりを発揮して眠りにつきました。
翌朝はあっさりとバイバイと言ってお互い名も明かさないまま別れ、一期一会な旅を終えました。